カナダの公用語は、英語とフランス語。この事実を、恥ずかしながらモントリオールに興味を持つまで知りませんでいた。
 
モントリオールに初めて行った時、一番驚いたのは、会う人会う人皆バイリンガルということ。 当時、フランス語は全くわからず、英語で通そうとする私に合わせて、フランス訛りからインド訛り、もちろん流暢な人もいましたが、色んな英語で接してくれたこの街の人々に感激。中学からコツコツと英語を勉強してきたのに、話すとなると幼稚園児のような単語の羅列しか口にできない自分に愕然としましたが、この時に知ったモントリオールの人々の英語が、私のその後の語学に対する考えを変えてくれました。

日本では、「ネイティブ」というキーワードが、語学学校の広告に重宝され、そこにこだわりがちです。しかし、モントリオールは多民族が共存する街。ほとんどがネイティブでない英語で成り立っています。そうか、これでいいのか、と思えたと同時に、伝達や理解という「ことば」の本来の役目に改めて気付かされた感じがしました。

もう今さらネイティブの発音になるのはほぼ不可能。ならば実らぬ努力をするのではなく、語彙をひとつでも多く覚えたほうが良い。そんな考えと同時に良い意味での開き直りができました。

モントリオールの英語はネイティブでないだけに、聞き取りやすくて実用的。
I don't eat apples. ではなく、I'm not apple eater. など、英語らしい表現も、語学学校ではなくモントリオールの街で覚えました。

この街では、皆がバイリンガルになれるはず。地元で生まれ育った人はフランス語と英語、移民でやって来た人々は、母国語とフランス語または英語。日本人でも中学レベルの英語をもってモントリオールで過ごせば、レベルアップはしやすいと思います。そして、日常にフランス語も飛び交っていますから、そのうちフランス語も。語学を学ぶ穴場かも、メリット多いですよ、モントリオール。