道の名前
海外で、いいなと思うことのひとつ、道に名前があること。

モントリオールでも道それぞれに名前がついていて、その名を聞けば位置がわかります。住所も道の名前に番地がついたものですので、とてもわかりやすいです。

モントリオールの道でメインになるのが、サンローラン(Saint Laurent Boulvard)。その道を境に東西に分かれています。番地も、東西に延びる道は、サンローランが起点の0(ゼロ)で、そこから離れるに連れて番地の数字が増えていきます。一方、南北に延びる道は、モントリオール島の一番南が起点になっていて、北へ行くほど番地が増えていくというしくみです。

昔から地図を眺めるのが好きで、どの街に行く時も、まずは地図で下調べ。モントリオールでも毎日地図を持ち歩き、その日歩いた道をおさらいする中で、名前も自然と憶えました。

以前、ふとしたことから「もし、ビジネスとしてモントリオールの道をひとつ買えるとしたらどの道を選ぶか」という、随分現実離れした話題になったツワモノと私。自分の趣味的感覚を優先させ、迷うことなくモンロワイヤル(Avenue Mont Royal)を選んだ私には「商才なし」の判定が下されました。確かに、ビジネスセンスのある人なら、サンカトリーヌ(Rue Saint-Catherine)などの商売の中心を選ぶだろうと、今は理解できます。

それ以来、道を歩いていると、この道はいくら?と、妙な視点から道を見るようになりました。可愛くないクセですが、立地や物件に対する嗅覚が磨かれます。少なくとも、何も考えず、モンロワイヤル、と答えていた頃よりは。