お茶
モントリオールのお茶屋さん、カメリア・シネンシス(Camellia Sinensis)。

もともとカフェ文化のモントリオール。メニューに紅茶やハーブティーはあっても、申し訳程度の地位だったのが、どうでしょう、近年は「お茶」がすっかり市民権を得ています。

カルチェ・ラタンにあるカメリアの店舗は、サロン・ド・テ(喫茶室)とお茶の量り売りを併設していて、ひっきりなしにお客さんが訪れています。販売されている茶器も、日本茶用、中国茶用、紅茶用と色々揃っていて、家でもお茶を飲む人が増えたことがうかがえます。

私はどちらかと言えばカフェ派ですが、ここでしばし時間を過ごしたくなるときがあります。

心がざわざわしているとき、気持ちが下降線を描き始めたとき。

店内では、電話、パソコンは禁止。もちろんネット環境はないので、ひとりでゆっくりしたり、人とおしゃべりしたりするには最適です。照明もいい具合に抑えられていて、店員さんの接客も控えめ、説明通りにお茶を淹れると、心が浄化されます。

いつも、行くのは午後遅めの時間。お茶をゆっくり飲んだ後、外へ出るとすっかり暗くて空気は冷たい。でも、心は満たされています。ここを出たとき、いつも同じ心持ちになる。こういう場所がひとつあるのは幸せです。

さて、わたくし、茶どころで育ったので、毎日の生活は緑茶と共にあったのですが、こちらの緑茶は産地別、”Okabe” や ”Mobata“ などという、日本人でも知らないような、でも私には懐かしい地名がメニューにあるではないですか。

しかも、Mobata の茶園は、幼なじみのお姉さんの嫁ぎ先。まさか、モントリオールでこんな出会いがあるとは。

世界は広くて狭いです。

Matcha
抹茶に抹茶トリュフはカナダ流。これも美味なり。



Maison de Thé
Camellia Sinensis