2017年01月
上海料理
モントリオールの特別な世界 - ノートルダム寺院

モントリオールにあるノートルダム大聖堂。
そこに一歩足を踏み入れると、息をのむほど神秘的なブルーの世界。何度行っても、背筋がピンと伸び、凛とした緊張感を感じます。
市民の誇りであるネオゴシック様式のこの建物は、モントリオール観光には外せない場所。1984年にヨハネパウロ2世が訪れ、1994年にはセリーヌ・ディオンが結婚式を行ったことでも有名です。
セリーヌ・ディオンの夫レネ・アンジェリル氏は、彼女を世に出したマネージャー。まだ12歳の計り知れない才能に惚れ込み、デビュー資金のために自宅を抵当に入れたというのは、セリーヌ・ディオンの輝かしい実績の始まりとして語り継がれているエピソードです。
出会ってから長きに渡り公私ともに一緒だったのですから『縁』も『絆』も特別なものだったと思います。結婚式を挙げてから21年後の昨年の今日、レネ氏は癌との闘病生活の末、亡くなりました。
ご本人の意志で葬儀が執り行われたのもこの教会です。
また、モントリオールの空港の名前にもなっている元カナダ首相ピエール・エリオット・トルドー氏の国葬が行われたのもこの教会。
その時に、亡くなった父への追悼スピーチをしたのが、現首相のジャスティン・トルドー。人々から愛される首相だった父への賛辞は共感を呼び、モントリオール市民のみならずカナダ人の心に今も残っているようです。
近年ですらそんな歴史が刻まれているのですから、入植の頃に建立されて以来、街を見守り市民を支えてきたこの場所には、数え切れない想いや祈りが込められていることでしょう。
他にはない、日常の中の特別な場所です。

上海 外灘

上海のフランス租界がワクワクする地区なら、ここ外灘(バンド)は、何だかゾクゾクする地区。
英国租界から始まった外灘。やがて東アジアの金融・経済の中心となり、各国の銀行が集まります。その歴史は、今もその街並が物語っていて、一瞬、ここが中国ということを忘れてしまうほど。
外灘は、上海の一番の観光地ですが、私がここに来るとゾクゾクするのは、モントリオールへ出店する前に観た『上海灘』というドラマのせいに他なりません。日清戦争勃発前の外灘を舞台に、上海の表舞台と裏社会、表裏一体の危うさを描いたものですが、それがあまりにも衝撃で面白くて。完璧ではないセットや脚本など全く気にならないほど引き込まれ、40分の25話、ほぼ徹夜で一気に観ました。
これから海外へ向かう背中を、ドンと押された感覚を今でも憶えています。
外灘に来ると、どこかで、白いマフラーをした許 文強(ホイ・マンキョン)に会えるような気がします。
ここは、中国でもない、欧米でもない、『上海』
モントリオール製菓学校プロデュース【上海の旅】
上海で感性を刺激する3日間
今日もたくさん焼きました
越冬
冬休みに学んだこと

お正月は、家族親戚が集う貴重な機会。今年は、みんなに会えたことに、まず感謝です。
実家では、毎年おせちは一部手作り。今年は、黒豆、なます、栗きんとん、ごまめ、錦卵、豚肉の紅茶煮が手作りでした。
いつもは母がおせちを詰めるようですが、今年は、その場に居合わせた私が、小学生と中学生の姪たちに「おせちを美しく詰める」というミッションを与えてみました。お重2つに盛り付けたかったので、2チームに分かれて、スタートです。
『おせち』を競う対象にするのはどうかとも一瞬思いましたが、もともとおせちは縁起物。みんながハッピーになれば良し、というのが自分の中で至った単純な結論です。
包丁の使い方からかまぼこの飾り切りまでを教えて、盛り付けのポイントをアドバイスしながら作業を進めます。
かまぼこや伊達巻きを切る時の真剣な眼差し、きれいに盛り付けたいという溢れる意欲、そして途切れることなく質問が出てきます。
「かまぼこをギザギザしながらまっすぐに切るにはどうしたらいいの?」
「何をどこからどう入れればいいの?」
「なますはどう盛りつけたらきれい?」
質問に答えると、その通りに実行します。
子どもって、素直でいいな。
心底そう思いました。
目的に対してまっすぐ。それ以外のことは考えないで、わからないことは聞けばいい。
姪たちは「おせち」について学び、私は彼女たちから「そんなこと」を学びました。
目的は見事に達成され、それはそれはおいしそうなおせちが完成しました。お重の蓋を閉めて、お披露目の時を待つ間もわくわくする小・中学生女子。
いいな、いいな。