トラネコ
モントリオールで営業していたカフェの帰り道、美容院の窓際のいつもの光景。

ヒョウのような猫2匹と、お揃いのカットクロス(髪を切るとき首に巻くもの)。ヒョウ柄好きではないけれど、オーナーさんはきっと猫好き、美容院の雰囲気は、この猫たちによって創られている感じです。仕事の帰り、心地よい疲労感とこの光景がぴったり合って、私の日常になっていました。

こんなことを書くと猫好きのようですが、実は猫アレルギーだった私。

好きとか嫌いの問題ではなく、猫に触れたり近づいたりすると、鼻と目が猛烈にかゆくなり涙が出てきます。中学生のころ、猫を飼っている友人の家に遊びに行った時に発症して以来、猫はNG。避けて生きてきましたが、期せずして触れ合う機会があったりします。

大学時代、初めて行った美容院にも人懐っこい猫がいました。知らずに入ってしまい、カットが始まってから膝の上に乗ってきたのです。美容師さんにアレルギーのことを告げる前に「かわいいでしょ?うちの猫ちゃん」と始まったので、調子を合わせて言いそびれ、、カットが仕上がる頃には号泣状態。髪型が気に入らないわけでも失恋したから髪を切りに来たわけでもないのに、美容師さんに要らぬ想像と心配をさせてしまいました。

この光景を見るたびにその時のことを思い出します。そして、もうひとつ思い出すこと。
『やっぱり猫が好き』

昭和が平成に変わる頃、深夜に放送されていた三姉妹と一匹の猫が繰り広げるシットコム(シチュエーション・コメディ)。猫は苦手だったけれど、もたいまさこさん、室井滋さん、小林聡美さんのキャラクター設定、絶妙な掛け合いと空気感が好きで、寝る前にゴロゴロしながら観るのがお決まりでした。

さて、私の猫アレルギー。
不思議なことに、モントリオールでは発症しなかったのです。それどころか、アレルギーがなくなったようで、猫を抱いても何ともなくなりました。どうして?猫の種類がちがうのか、ノミやダニがいないのか、はたまた私の体質が変わったのか?アレルギーがなければ猫もかわいく、猫を飼うのもいいかなと思えます。

今では『やっぱり猫が好き』